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地元のお魚を丸ごと一匹!浜田の給食

子ども達にもっと魚を食べる機会を!

 《地元でとれた美味しい魚をもっと食べよう!》と始まった、学校給食での魚食推進活動。これまでの学校給食でも、定期的に魚メニューが提供されていましたが、産地にこだわらず、安価で、規格が揃い、骨を取り除いた元の魚の姿や種類がわからないようなものが主でした。結果として、子ども達の魚離れを加速してしまうことになっていました。

 このような状況があり、魚食推進活動は、三隅町の小中学校で生徒たちの栄養管理を担当する、加藤栄養教諭さんの「浜田には大きな漁港があり、どんちっち三魚(あじ、のどぐろ、かれい)に代表される新鮮な魚がたくさん水揚げされる。この地元の魚を給食に利用できないか?」という要望と、島根県が進めていた地魚利用推進に向けた取り組みとがマッチングしてスタートしました。

三隅小学校から広がった魚食の輪

 まずは「三隅小学校」を試験校に、平成28年から子ども達に魚の美味しさを知ってもらえる魚食給食メニューの開発を開始しました。魚が一番おいしく食べられるのは、鮮度がよい旬のものを、素材の味を生かして調理したもの。

 一方で、限られた給食単価の中では提供できるメニューにも限りがあります。単価が安くておいしい魚種を、産地と鮮度にこだわって食材供給。それを栄養教諭が創意工夫し、メニューの試作を繰り返しました。その中で到達したのが旬の時期のマアジを骨付きのままで提供するというものでした。

 その後、浜田市内全域の小中学校での提供試験を経て取り組み規模が拡大。
 現在は浜田市内の全小中学校で、尾頭付のマアジ一尾をまるごと塩焼きにして提供するなど、定期的に地魚を用いた魚食給食が提供されています。


三隅小学校で提供された尾頭付のマアジ1尾まるごとの塩焼き


美味しく味わいながら、きれいに完食!

子ども達に美味しい魚を食べてもらう工夫

 先生方や子ども達からも「美味しい」「品質がよい」との声が多くあがっている魚食給食。子ども達に鮮度がよく、美味しい魚を味わってもらうために様々な工夫がされています。
 魚食給食で提供される魚は、水揚げ直後に地元ですぐに加工処理され、急速冷凍された「ワンフローズン」と呼ばれるもので、もともとの鮮度や美味しさ(品質)をあまり落とないというメリットがあります。

 しかし、《骨付きの魚を給食で提供する》までには様々な苦労もありました。それまでの学校給食では魚の骨は、取り除いてから子ども達に提供するということが当たり前のようになっていたため、各学校の栄養教諭さんや教育委員会では、保護者さんへの案内をしたり、総合学習の時間を活用して島根県浜田水産事務所の水産業普及員から地元の漁業や魚、上手な食べ方等について出前講座を実施してもらったりと準備をしました。「魚には骨があるのが当たり前」ということを子ども達に知ってもらうとともに、箸を使って上手に食べられるようになってもらうことが魚食給食のもう一つの目的でもあるのです。

 様々な人たちの努力の基に、子ども達においしい魚を食べてもらうことが実現できるようになっているのです。


小学校で実施されている《魚》や《魚食》に関する総合学習授業

大好評の『魚食給食』

 実際に、浜田市立旭小学校で行われた『出前講座』を見てみると、地元でとれる魚の種類や、魚を食べることが自分達の体にどのような影響を与えるかなどの話に生徒も興味津々。次々に子ども達から質問や発表が飛び交っていました。

 また、『魚食給食』を食べている子ども達を見てみると、例えば《マアジの南蛮漬け》では、柔らかく調理されているとはいえ、骨も丸ごと食べてしまうほど大好評!みんな「とっても美味しかった!」「本当は魚あんまり好きじゃないけど全部食べられた!」「魚の旨味があり、生臭さもなく美味しかった」など、上々の評価です。

 先生からも、「今の子どもは魚を食べる機会が減っていることもあるんでしょうけど、頭や尾も付いた丸ごとの魚を食卓で見たことがないという子どももいるようです。総合学習の授業+給食のように、見て・触れて・食べて、経験が増えることは大変よいことだと思います」と好評価です。


知っている地元の食材の種類を次々と挙げていく子ども達


子ども達が自分で脂質を測ってみて、知って、説明を聞いてびっくり!


「魚はちょっと苦手」という子ども達もきれいに完食!

地域を超えて、広がる展開

 このように好評価を得ている浜田市内小中学校での魚食の取り組み。共感した益田市内の小中学校からも要望があり、浜田産マアジが提供されるようになりました。さらに2017年12月には、出雲市内の小中学校に9,300食分のマアジが提供されるなど、取り組みはさらに拡がりつつあります。

 また、試験校として魚食給食の先駆けとなった「三隅小学校」では、子ども達とその保護者を対象とした「親子での干しガレイ作り体験」なども催され、自分達で作って給食で食べるというところまで体験。取り組みの進化がつづいています。

 浜田市の小中学校を基点に広がる《魚食》の取り組み。島根県内各地にさらに広まり、美味しい魚食給食や授業の力によって魚好きの子ども達が増えることで、「家でも魚が食べたい!」と、家庭での魚の消費拡大にさらに大きく貢献していきそうです。


三隅小学校で実施された「親子での干しガレイ作り体験」


自分達で作った干しガレイを給食でいただきます


2017年11月21日の「浜田市統一献立(おいしい浜田の日)」に提供された浜田市立旭小学校の魚食給食