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地産地消 豊富な栄養素と甘い味わい あすっこ

豊富な栄養素と甘い味わい「あすっこ」

島根県オリジナル野菜「あすっこ」は、平成15年に島根県農業技術センターが、ビタミン菜とブロッコリーを交配してつくったもので、くせが無くビタミンCが豊富で甘い味わいが子どもたちにも食べやすいと評判の野菜です。県内全域で栽培が進められているあすっこですが、今回は出雲市斐川町におじゃまして、JAしまね斐川地区本部営農部さんに、現在までの取り組みなどお聞きしてきました。

小さな農地でも大規模な農地でも扱いやすい
「あすっこ」

斐川町の取り組みは平成17年、試験栽培の開始と生産者へのPRを経て、平成18年より本格的に栽培が始まりました。斐川町は、水稲だけでなく、キャベツと玉ねぎを大規模に栽培していることもあり、露地野菜の生産者も多い地域です。そういった方々が中心となって徐々に拡大してきました。

栄養豊富で食べやすさが人気のあすっこは、小面積からでも始められる良さがあり、農家の副収入的な役割も担っています。また、9月~10月に苗を植え、収穫と出荷が12月〜4月と冬場の野菜であり、他の作物と時期が重複しないこと、病害虫の発生が少ないことなどから、大規模農家にとっても取り組みやすいという特徴があります。JAしまね斐川地区本部では、近年こうした長所をPR材料に、園芸を取り組んでいない営農法人等を対象に普及活動にも力を入れています。


小規模でも大規模でも生産に取組みやすい「あすっこ」

上直江ファームの取り組み

そんな斐川地区の中でも、いち早くあすっこ栽培に着手した団体のひとつが「農事組合法人 上直江ファーム」(組合員46名)です。組合内組織として特産グループ代表も兼任する、組合長の江角典広さんにお話をお聞きしました。

特産グループは、2年3作のイネ、ムギ、大豆と、斐川町特産の玉ねぎ、キャベツの栽培が主体の上直江ファームの中で、園芸に興味のある有志10名で結成されました。特産グループがあすっこを始めたのは、年間を通じて水稲(育苗)以外に使われていなかったハウスの有効利用を考えたことがきっかけでした。

8月から4月くらいまでがハウスの空き期間ですが、暑い夏場の利用は作業的に大変。そういう意味でも、秋から春までが作業期間になるあすっこは最適の野菜でした。栽培方法は、トロ箱を利用した養液栽培を採用。3年前からは、露地栽培も増やしている最中で、現在ではハウス栽培が2棟と、約10アールの農地において栽培がおこなわれています。


「農事組合法人 上直江ファーム」のみなさん。黄色いジャンパーが江角さん


トロ箱栽培で育てられたハウスの「あすっこ」を収穫(左)
収穫直後の「あすっこ」みずみずしい緑がうつくしい(右)


収穫された「あすっこ」はひとつひとつ長さを調製し袋詰めされて出荷を迎える

利益だけでない、あすっこの魅力

あすっこの良さは、あまり手を掛けなくてもしっかり育ってくれるところと言う江角組合長は、「野菜は日常の管理がきわめて重要。もちろんあすっこも管理は必要ですが、その管理そのものが比較的容易なので、高齢のメンバーもいる特産グループにとって作業量的にも助かります。また、病害虫の発生が少ないため、薬剤防除もほとんどなく、安全安心性が重視される今の時代に合っている」と続けます。そんな良いことづくしのあすっこですが、冬場の野菜だけあって、気象条件で収穫量が大きく左右され、収入面にも影響が出てしまいます。ただ、特産グループにとってのあすっこは、「冬場にこれだけの規模で作業できる野菜はなかったので、利益のことよりも、年間を通じてみんなと一緒に仕事が出来るという喜びのほうが大きい」と江角組合長は言います。

グループ全員の誇りにもなっているというあすっこ栽培。これからも可能な限り栽培量を増やしていきたいとのことでした。

市場へのPR活動も盛ん

JAしまねでは、地域のスーパー店頭での試食宣伝販売活動を展開中です。また、子どもにも人気の野菜ということで、JAグループが行う「食農教育実証圃」としてJAしまね斐川地区本部のTAC(*)の指導の下、町内の保育園でも栽培に取り組んでいます。

(*)TAC:地域農業の担い手に出向くJA担当者の愛称


店頭に並ぶあすっこ(左)
あい川保育園での収穫の様子(右)

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