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隠岐ふるさと直売所 あんき市場

「隠岐ふるさと直売所 あんき市場」

 隠岐の島町の玄関口、西郷港内に町内初の常設産直市として、平成22年10月に誕生した「隠岐ふるさと直売所 あんき市場」。隠岐の方言で「安心する」「ホッとする」といった意味を示す「あんき」を店名に、誰でも気楽に立ち寄れる店として親しまれてきましたが、西郷港の大規模な改修工事に伴い、平成29年3月に西郷港から徒歩2分の位置に移転。設立から7年、新たな局面を迎えた「あんき市場」のこれまでとこれからのお話を、岸岡長利店長と、設立当初からのスタッフ、西村万里子さんにお聞きしました。


岸岡長利店長(右)と、設立当初からのスタッフ、西村万里子さん(左)

地道な活動で100名超の賛同得る市場へ発展

 平成16年より隠岐農産物生産者協議会の有志によって行われていた、朝市(週1回日曜日)の好評を受け、朝市を主催していた隠岐農産物生産者協議会と、水産加工品や原木しいたけを主に取り扱う「隠岐スモールビジネス協議会」の連携で誕生した「隠岐ふるさと直売所 あんき市場」。朝市の頃から地元の方々の人気が高かったこともあり、地域活性化と地産地消の役割を担った「あんき市場」でしたが、オープン当初は、商品を納入する生産者(組合員)も20数名と少なく、陳列する商品も種類もまばらという状態がしばらく続きます。この状況を打破すべく、大きな生産農家だけでなく、家庭菜園などをやっている小規模農家などにも市場側から出品依頼の声をかけるなどの地道な働きかけが実を結び、現在では115名の「あんき市場」の取組みに賛同する生産者からのさまざまな産品が店頭を賑わすまでになりました。


生鮮から加工品まで日々の食卓を彩る品々が店頭を賑わせています。

多様化するニーズ、
消費者の声を生産者へフィードバック

 移転後は、誕生当初から販売していた生鮮食料品や加工品だけでなく、今まで入手困難だった神葉(地元の沿岸域に生息する海藻)など、伝統的な郷土料理の食材も日常的に店頭に並ぶようになりました。島外で暮らす家族や親戚等、隠岐の味を懐かしむ人々に向けた贈答品としての需要にまで対応しています。また、手作り弁当などの惣菜類も大好評で、人気の弁当は朝からの予約が多く、店頭に並べる前に完売してしまうこともあるなど、常設となったことで多様なニーズにも対応できるようになりました。そんな「あんき市場」では、消費者の声を生産者にフィードバックさせる取り組みにも積極的。店頭に設置したアンケートボックスなどを介して消費者の声が生産者に届けられます。生産者の大半が小規模農家ということもあり、こうした声に対する反応は素早く、そこに「他よりもっと良いものを作りたい」という作り手としてのモチベーションも加わり、店頭に並ぶ商品の品質は日々向上していきます。

今度の進化も楽しみな「あんき市場」

 このように、地産地消の産直市から、今ではスーパー、コンビニ的な役割も担いつつ、地域の絆をしっかりと支えている「あんき市場」。アンケートなどによりフィードバックされる消費者の情報を元に、新たなオリジナル商品の開発も具体的に進められています。また、旧店舗時代に好評だったイベントの再開も検討中。これからの更なる進化も楽しみです。

「あかもく」と「神葉」を使ったおすすめレシピ

 「あんき市場」では、主に若い世代に向けて郷土料理を伝えるレシピを作成したり、地元食材を使ったオリジナルメニューの提案をしたりと精力的。その中から、とっておきのメニューを紹介します。

【あかもく】
 冬から春にかけて大きく育ち、ネバネバシャキシャキとした食感が特徴の「あかもく」を使った「あかもくパスタ」は、オリーブオイルを敷いたフライパンでニンニクを炒め、香りが出たら唐辛子とお好みで魚介類を加えます。まんべんまく炒めたら火を止め、茹でたパスタとあかもくを加えて完成です。その他、千切りにしたゴボウと人参、さらに人参の葉などに乾燥あかもくを加え、衣につけて揚げる「あかもくのかき揚げ」や、味噌汁、冷や奴、炊き込みご飯など、調理の最後に加えると風味が引き立ちます。


「あかもく」を使った「あかもくパスタ」

【神葉】
 ホンダワラとも呼ばれる「神葉(じんば)」は、新豊年の縁起物としてしめ飾りに用いられています。1月から2月の寒い時期に採ったものを天日乾燥したものが使われます。料理ではクセのないあかもくに較べ、独特の風味と歯応えが特徴で、「漬物」や「酢みそ」等にして頂くのが一般的。人参、大根、神葉を炒め、油揚げと調味料を加え煮る「神葉の炒め煮」や、神葉に切り干し大根と人参、しょうがと酢味噌を和えた「神葉の酢みそ和え」など、最近はご飯やその他洋風料理にも利用されています。


「神葉」を使った「神葉の炒め煮」