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どんちっちアジ

脂の乗ったブランド魚「どんちっちアジ」

 地元で獲れる魚のブランド化で地元水産業復興を図るべく誕生した、浜田市の水産ブランド「どんちっち」。山陰を代表する高級魚ノドグロ(アカムツ)。一夜干し等の水産加工品で有名なカレイ(カレイ類全般)。そして、都道府県別の消費量では島根県が常に上位になるほど県内での人気の高いアジ(マアジ)。この三魚種で一定の基準を満たしたものが「どんちっち三魚」と呼ばれます。なかでも春から夏にかけてまき網漁での豊富な漁獲量を誇るマアジは、脂の乗りもたいへんに良く、地元はもちろん、全国的な評価も得ているブランドの中心的な存在です。そんな「どんちっちアジ」について、ブランド化への取り組みに当初から携わる、渡邉祐二さん(浜田市水産物ブランド化戦略会議専門部会・部会長)に詳しくうかがってきました。


ブランド化への取り組みに当初から携わる渡邉祐二さん

浜田の水産ブランド「どんちっち」誕生へ

 ブランド化への取り組みは、長年にわたり浜田漁港の水揚げの主役だったマイワシ資源の減少がきっかけでした。マイワシの水揚げ量は、全国的に昭和の終わり頃から一気にダウン。浜田漁港でも、当時、年間水揚量の90%以上をまき網漁によるマイワシが占めていたことから、生産者や関連事業者の廃業などが相次ぎました。
 そんな危機的状況にあった平成14年、地元水産業の復興を目指し、生産者、市場、仲買、加工、消費者、試験研究機関、および行政を含む11団体で「浜田市水産物ブランド化戦略会議」(以下戦略会議)を設立。設立後すぐにアジ、ノドグロ、カレイを「どんちっち三魚」として選定、ブランド化への取り組みが始まりました。
 浜田のアジは、春先から夏場にかけて脂の乗りが良くなるという特徴があり、一般的なアジの脂質含有量が3.5%程度であるのに対し、この時期に浜田漁港で水揚げされるアジは10~15%とその差は歴然です。
 そんな浜田産アジの魅力を最大限に発揮するための品質へのこだわりがブランドを大きく成長させていきました。


水揚げ後すぐに選別作業が進められていく。

どんちっちアジを支える3つの規格

 そんなアジをブランド化するにあたって定められた規格は、①戦略会議加盟団体が島根県西部沖で漁獲し、浜田漁港に水揚げしたものに限定。②旬となる4月から9月期に限定。③50グラム以上のサイズで平均脂質10%以上に限定。という3つの項目。なかでも目玉となるのが、平均脂質10%以上という規格です。当初この脂質測定には、丸1日以上を要するなどの問題を抱えていましたが、ブランド設立から3年目、島根県水産技術センターが「ポータブル脂質測定器」の実用化に成功し、水揚げ後、脂質測定が即時に出来るようになりました。
 この測定数値を出荷証明書に加えることで、出荷先や消費者の信頼を得ていきました。そして、こうした地道な努力は、次第に総合的な評価となって単価に反映され、平成23年の平均単価225円/kgが、平成28年には298円/kgと、実に約32%の伸びを示しました。この評価は今も変わらず、「浜田のどんちっちアジは脂が乗っていて美味しい」と不動の人気を獲得するに至ります。さらに、浜田で漁獲されるマアジ全体の価格まで押し上げ、平成23年の平均単価134円/kgが、平成28年には245円/kgと、約1.8倍となっています。


実用化された「ポータブル脂質測定器」での検査は魚体を傷つけない。

「どんちっち」に込めた思い

 ブランド名となる「どんちっち」とは、石見地方の伝統芸能「石見神楽」を意味する幼児言葉。地元以外では聞き慣れないこのフレーズで消費者の興味を促す目的もありますが、地元の子どもたちに馴染みやすい「どんちっち」を採用し、次世代に魚食の文化を残していきたいという思いが込められています。
 こうした思いは、地産地消や魚を通じた食育の活動にも繋がり、学校給食への供給をはじめ、渡邉さん自らも講師となって出前講座を行い、魚の生態から漁法、捌きかたなど、「どんちっち」についての知識を地元の子どもたちに向けて発信しています。
 また、浜田市食育推進ネットワーク会議と連携して、「食育フェスタin浜田」において「どんちっちアジ」を使ったフライの試食、販売をおこなうなど、さらなる地元での普及活動を展開しています。

素材の良さをそのまま食卓へ

 「鮮度が良いからこそオーソドックスな食べ方がおすすめ」という渡邉さん。
 旬で脂の乗った刺身の美味しさは言うに及ばず、脂が多いからこそあえてフライにして食べるのも、おすすめの食べ方とのこと。
 本来のアジフライは、脂の少ないアジをフライし、油分を絡ませることによって、旨味をプラスする調理法とも言われていますが、脂質の多い「どんちっちアジ」をフライにすると、身はふっくらとソフトに、さらに脂由来の美味しさが衣の中にしっかり閉じ込められ、地元はもちろん、他県からの方々にも大好評の食べ方です。
 「どんちっちアジ」が食べられるお店(※1)は、浜田公設水産物仲買売り場2階にある「めし処ぐっさん」をはじめ、浜田市内の料理店、ホテル、料亭でも広く取り扱われています。
 また、浜田市を中心にスーパーや鮮魚店でも広く販売されています(※2)。
 「どんちっちアジ」。ぜひともお店やご家庭で味わってみてください。

※1「どんちっちアジ」が食べられるお店一覧(浜田市HP)
http://www.city.hamada.shimane.jp/www/contents/1463098037763/index.html
※2どんちっち取扱い業者一覧(どんちっちを買う、食べる)(浜田市HP)
http://www.city.hamada.shimane.jp/www/contents/1001000002255/index.html


浜田公設水産物仲買売り場2階にある「めし処ぐっさん」


スーパー等ではこのシールが目印